FETをマイコン出力のスイッチとして使う方法

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ここの記述は、FETを使用して単純にスイッチの様にON/OFFをさせる場合の記事です、
トランジスタ使用はこちらを参照下さい。

マイコン(Arduino,PIC)のデジタル出力はMAX25mA(常時20mA位)までなので、
LEDぐらいしか直接接続できません。
トランジスタで一旦受けてから出力すれば15A位までは電流を流す事が出来ますが、
5A以上流すならトランジスタよりはFETの方が安く購入出来たりします。

FETの役割は、
トランジスタはベースに電流を流す事で増幅しますが、 FETはゲートに電圧を加える事により増幅すると言う違いが有ります。

FETは電解効果トランジスタと言い「Field Effect Transisteor」の略です、 FETもトランジスタと同じ様にP型とN型の2種類が有ります。
また、FETは「金属酸化膜型(MOSFET)」「接合形(JFET)」「金属半導体形(MESFET)」等が有りますが ここではMOSFET「Metal-Oxide-Semiconductor-Field-Efect-Transistor」を使った回路での説明となります。

FET1 この図は、2SK2232(MOS-N型)のデータシートから一部抜粋したものです。
回路記号もMOS型の記号です。

ちなみに下がJFETの回路記号です。
FET2

また、写真の様にFETの表記は2Sが省いて有ります。


データシートの見るポイントは(数値は2SK2232(N)の場合です)

負荷は最大何ボルトまで接続できるか?
 ドレイン・ソース間電圧[Drain-source voltage](Vdss = 60V)
負荷は最大何アンペアまで流せるか?
 ドレイン電流[Drainr current](Id = 25A)
負荷をON/OFFさせる際のゲート電圧の境は?
 ゲートしきい値電圧[Gate threshold voltage](Vth = 2.0V)
 2.0V以上流せば負荷に電流が流れます。
オン抵抗値
 ドレイン・ソース間オン抵抗[Drain.source ON resistance](Rds(ON) = 36mΩ)
その他
 マイコンで使用する場合は5V電源ならFETは4V駆動(ゲートドライブ)タイプを選びましょう。
 オン抵抗は出来るだけ低いものを選びましょう、
 電流を流す場合に電圧降下も低くなるしぃ、発熱も少なくなるしぃですぅ。

マイコンの出力ピン電圧
マイコンの出力ピンを1(HIGH:ON)とした場合、電源電圧(VDD)が5Vとすると。
PICは、VDD-0.7Vです、なら5V-0.7V=4.3V出力されます。
Arduinoは5Vなら4.2Vとデータシートに書いてありました。
マイコンの出力ピンを0(LOW:OFF)とした場合は、
PICは0Vでなく0.6V程出力されます。
Arduinoは0.9Vと書いてありました、ちょっとぉ高くないかい?

FET3 N型FETの接続回路
マイコンの出力をHIGH(5V)にすると負荷に電流(D-S間)が流れます。
2SK2232の場合では、
ゲートしきい値電圧(Vth)が0.8(MIN)〜2.0(MAX)なので、
PICはHIGHが4.3V(VDD-0.7V)でLOWが0.6V出力されるからOKですね。
ゲートしきい値電圧は周辺温度が高くなると下がって行きます。

R2は入力信号がオープンになった場合に、GNDに接地し
FETをOFF状態にする働きがあったりします。


FET4 P型FETの接続回路
マイコンの出力をLOWにすると電圧がSよりGの方が
低くなります、すると負荷に電流(S-D間)が流れます。
でぇ、S-G間の電圧が同じになるとOFFです。

G・D・Sの足向きがN型と異なるので注意です。
2SK2232がN型なら2SJ334等がP型となります。


抵抗R1について

R1はFETの動作を安定させる働きがあったりします。
マイコンは出力が20mA程しか流せないので、これで計算してみます。
出力電圧を5Vとするとオームの法則からR=V/I(5/0.020=250Ω)なので、 250Ω以上を選択なら、330Ω、470Ω、1kΩ辺りで良いでしょう。
FETは電圧をゲートに加ええれば良いしぃ、単純にスイッチ的にON/OFFするだけだしぃ アバウトで良いんでないかい。
但し、小型のモータを回す場合、R1は470Ωじゃないと回らないと思います。

抵抗R2について

R2もR1と同じで良いんでないかい。
R1に近い値になってくると、FETのゲート電圧が下がりオン抵抗が増えてくると言う話があったり
しますがぁ、で結構10KΩが多かったりしますがぁ、単純にスイッチ的にON/OFFするだけだしぃ、アバウトでぇ。

実際の回路

FET5
PICのGP4(3番ピン)からHIGH(ON:5V)を出力すればLEDが点灯する回路です。
トランジスタの場合とほとんど変わりません。
この使用している小型リレーはコイルに電流が30mA流れます、 PICは20mA程しか流せません、FETで一旦受けて動作させる必要が有ります。

逆起電力

この回路のごとく負荷にリレーやモータ等のコイル負荷を接続する場合は、
コイルの入切り時に逆向きの高い電圧がコイルの両端に発生します、これを逆起電力と言います。
この逆起電力によりFETが壊れるので、上図の様にダイオード(D)を取付けて逆起電力を流します。
FETには寄生ダイオードが有るので要らないと言う説が有ったりしますが、しっかり保護した方が良いと思う
また、ダイオードはファースト・リカバリーダイオード(ER504)が良いとか書いて有ったりしますが、
そんなにシビアな回路でないしぃ、1N4007しか持ってないのでこれでいつもやってますがぁ.....。

小型モータを単純に回す場合などもこれでいけますがモータに関しては別途もう少し突っ込んだ記事を書きたいと思っています。

尚、
ArduinoとTA7291Pを使ってモータを回す記事はこちらを参考にしてみて下さい。 *1)
FETを使用してステッピングモータを回す記事はこちらのPIC編Arduino編をそれぞれを参考にしてみて下さい。 *2)



追記(*2) 2012/12/20
追記(*1) 2011/08/06


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