トランジスタをマイコン出力のスイッチとして使う方法(2/2)

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 前の頁ではトランジスタの2SC1815GRを使いマイコンからの出力で、単純にスイッチの様にON/OFFをさせる場合の記事でした。
ここではその同じ動作をトランジスタアレイ(TD62004AP)を使った場合の紹介記事です。
(TD62004APは秋月電子のこちらから手に入ります。)

PS.  2015年11月現在、
TD62004APの後継機としてTBD62003APGに切り替えです、FET型出力構成になった様です。 *1)
尚、TD62003APGならこちらに在りますね。

 トランジスタアレイにはトランジスタ回路が7個分入っています、 例えば、2SC1815GRで1回路構成するには、抵抗2個・ダイオード1個・トランジスタ1個が必要ですが、 トランジスタアレイにはこの構成で7回路分入っていると言う事です。
しかも2SC1815GRで7回路作成した場合とトランジスタアレイ1個分の費用はさほど変わらないです。
それにトランジスタアレイは抵抗やらダイオードを内蔵しているので配線不要です、入力と出力を配線するだけのお手軽さです。

トランジスタアレイにはトランジスタが7個入っていると言いましたが、実はダーリントン構成で7回路分入っています。
ダーリントンの良い所は電流増幅率(hFE)が大きい事(2000-20000)です、なので入力電流が少なく出来るメリットが有ります。 ダーリントンについては[SUDOTECK]さんのHPを参照して下さい、分かりやすく書いて有ります。
ですがぁ、TD62004APの電流増幅率hFE=1000しかないので2SC1815GRとさほど変わらない性能です、
1,2回路しか使用しないのなら200mA以上は流せそうですが、1,2回路ではなんかぁもったいないような.....
やっぱりぃ4回路以上なら置き換えてもって感じですかぁ、だとすると100mA前後は出力いけそうです。

尚、2SC1815を2個使ったダーリントン接続の記事例は、こちらこちらに在ります。

グラフ
左の図はTD62004APのデータシートから一部抜粋したものです。

注意としてはこの図は温度25度での測定です、
30-40度になると性能は悪くなります。
また、"DUTY CYCLE 100%"が電流を流しっぱなし状態での使用と言う事ですね。
それと、n=1が1回路使用時でn=7が全回路同時に使用した場合です。

この図を見るとPWM制御なら結構電流を流せるって事でしょうか。

ピン構成  TD62004APのピン構成図です。

 図のダイオードが逆起電力用です。
 入力制限抵抗(R1)は
  62004が10.5KΩで、62003が2.7KΩです。

 ピン番号(1-7)が入力で(16-10)が出力です。


下記の左図が2SC1815使用回路例で、右図がTD62004AP使用回路例です。
マイコンからON信号を出力すれば負荷に電流が流れます。
回路図1 回路図2

実体配線
 この写真が実体配線の例です。
 LEDの片方の足は+電源に配線されています。
 通常は黄色線(入力側)がマイコンに接続されますが、
 面倒だったので+電源に直接配線です、
 これでマイコンからの信号ON状態と同じですね。

 TD62004APはNPNトランジスターです、
 なので電流がTD62004APに流れ込む(シンク電流)様に
 出力側端子は+電源側に配線する必要が有ります。

 また、誘導性コイル負荷(モータ、ソレノイド、リレー等)を
 使用する場合は9番(COMMON)端子は配線しましょう。


尚、モータやソレノイド等の駆動に最適なFT5754Mは、
4回路入りのNPNパワーダーリントントランジスタアレイです、このFT5754Mとステッピングモータを
使った記事はこちらに在ります。



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追記(*1) 2015/11/13


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